KIKUCHIはこう考えます

“ホームシアター新世代” 『映像の愉しみ方 / TVとスクリーンの賢い使い分け』

映像には、いろいろな愉しみ方があります。

目的に応じた上手な使い方を意識することで、より一層の映像の「楽しさ」「豊かさ」を生活にとりいれることができます。

キクチ科学研究所は、“ホームシアター新世代” にあわせた『映像の愉しみ方 / TVとスクリーンの賢い使い分け』を提案いたします。

大画面フラットTVの時代

ホームシアターをとりまくハードウエア環境は、家庭用プロジェクターの “フル・ハイビジョン対応” をはじめ、急速な進化をとげています。そして、家庭用フラットTVも、いよいよ “100型オーバーサイズ” を選べる時代となってきました。

フラットTVの大型化は、家庭用・業務用を含む大画面映像媒体として考えたとき、プロジェクター / スクリーンと並ぶ有力な選択肢となり得るものです。とりわけ家庭用の映像媒体として考えた場合、

もしも...
“TVを大型化したもの” イコール “プロジェクター / スクリーン”

と単純に考えるなら、今後のホームシアターでも、大型フラットTVの選択が主流になるものと思われるかもしれません。

映像の愉しみ方は一通りではない、とKIKUCHIは考えます。

ところが、家庭で映像をたのしむことを最大の目的として考えたとき、もしも大型フラットTVでその全てをまかなおうとするならば、はたしてそれは『映像を最大限に愉しむことができる、望ましい使い方』といえるのでしょうか。

たとえば...

 

 

TVの魅力は画面の大型化によるものではなく、『生活スペースとの無理のない共存』と、『気軽に情報を得たり “客観的に楽しむ娯楽” を得るためのツール』として訴求されるべきものだと思います。TVとは、明るい生活空間の中に置かれ、日常に寄り添い、情報を入手したり、楽しむもの、ではないでしょうか?

これに対し、プロジェクター / スクリーンは『大画面による映像の迫力を楽しむもの』だけではなく、たとえば “映画のシーンと同化する” ことにより、『非日常を愉しむもの』といえます。したがって、あるときは画質のためのみならず、その非日常の状況をつくりだすという意味でも、できるだけ部屋を暗くし、目に入る日常の情報(部屋のインテリアなど、映画の中の世界以外の情報)を可能な限りとりのぞくことが重要になります。

明るい部屋で、100型大画面フラットTVの映画鑑賞ももちろん可能ですが、大画面の迫力は楽しめるものの、上記のような “究極の愉しみ” を得ることはできません。

映画とTVの画(え)づくりの違い

また、広い公共施設のホールなど大きな空間に設置されている場合とは異なり、一般的な家庭のリビングスペースで、近距離から100型大画面フラットTVのTV番組を観る場合、ある種の違和感をおぼえるのではないでしょうか。それは観る映像が、収録された時点で、どのような意図のもとに、どのようなサイズ(大きさ)の画面で鑑賞されることを前提としてつくられたか、ということに起因しています。

映画は始めから大画面(スクリーン)で観ることを前提としたカメラワーク、カメラをゆっくりとパンさせた撮影、ゆっくりとした画面展開、計算されつくした照明効果で収録されています。画面全域で一つの世界(環境)を表現しますが、その中のどの部分に観客の意識を集中させるかも、演出上注意深く構成されています。

これに対し、TVは今のところ、20型のようなある程度 “小さな画面で見ること” をも前提としなければなりません。そのため一部の番組には変化が見られるものの、おおくの番組は速いカメラワークと目まぐるしい画面展開、色彩とフラッシングにより目を引き付けることを優先した、ともすれば “派手で眩しい画づくり”、画面全体で一つの情報を伝える目的で制作されています。画面に表示される文字情報なども、小さな画面でも読み取れることが前提になっており、これを単純に、近距離で何倍もの大きな画面で見なければならないことなども、違和感の原因となります

TVとスクリーンを賢く使い分けてこそ

家庭用の映像媒体として考えた場合、その選択をどちらかに偏らせるのではなく、それぞれの『本来のあり方・使い方』を意識することで、フラットTVとプロジェクター / スクリーンの上手な使い分けをおこなうことができ、それにより一層の『楽しさ』と『豊かさ』を生活にとりいれることが可能となります。

理想的なスタイルは、
『いつもは明るい部屋で、32型前後のフラットTVからTV放送の情報を得たり、またある程度部屋の照明を落とし100型前後のプロジェクター / スクリーンでハイビジョンの高画質 / 大画面映像を観るなど、 “日常” を楽しみ、そしてあるときは完全に照明を落とし、100型前後のプロジェクター / スクリーンで映画に浸る “非日常” を愉しむ』
というあり方ではないでしょうか。

今後ホームシアターをとりまく話題のなかで、映像の上手な愉しみ方について考える機会が増えてくることと思います。その時、このような考え方・使い分けを参考としながら、ホームシアターの導入/システムアップの方向性を見極めていただくことを、お奨めいたします。

キクチ科学研究所は、『小さな映画館』と『大きなテレビ』の違いを明確に認識していくことが、これからますます大切になると考えます。